君がここで笑うシーンが

いや、答えなんかはいいんだ ただちょっと

全部稔の、松村北斗のせいだ

最初に出てきた言葉は、馬鹿野郎、だった。涙よりも衝撃が強くて、だけど泣いているんだと気付いたのは華丸さんの朝ドラ受けが全然聞こえなくてテレビの音量をあげた時だった。あろうことか、自分の鼻を啜りしゃくりあげる音でテレビと隔離されていたのである。

 

稔が死んだ。稔が、戦死してしまった。

 

思えば、とにかく大変な1週間だった。

 

 

日曜日には「青天を衝け」でお千代ちゃんを見送った。コレラで突然亡くなってしまった。なぜとか、どうしてとか、そんなことを考える余裕がないまま亡くなってしまった。「惚れ直した、俺は千代がいなきゃダメだ」と栄一が自覚した次の週のことであった。栄一はいろんな人をいろんな形で見送ってきたけれど、「おいてかないで」って言ったのは千代ちゃんだけなのだ。栄一の中にはずっと「お千代は褒めてくれる」「お千代は認めてくれる」って確かな希望があって、だからこそ自由に生きられたのだと思うとあまりにあまりにである。あまりにも涙が止まらなくて、生まれてはじめて泣きすぎて吐くということをした。千代ちゃん、さいごのさいごまで綺麗だったな……それが余計に辛かった。

 

この千代ちゃんの死があまりにも辛く、わたしは今週カムカムエヴリバディを見るのをやめていた。お千代ちゃんを見送った翌日がたまたま通院だったのだけれど、医者にやつれたと言われるくらいには泣いたのだ。しかもそのまま場所の悪いポリープが見つかって顔色の悪さやその他色々もあいまって入院してしまった。 「今日点滴して帰るでもいいけどあなた最近体重落ちてるしそれだけやつれた顔してたらちょっと入院かなあ…」と医者は言っていた。やつれた顔は昨夜の泣きすぎでは?とは状況的にも声的にも言えず黙るしかなかった。ごめんなさい、ポリープ云々は預かり知らぬところですが、やつれた顔は間違いなく前夜の青天を衝けです。

入院中はとにかく戦争と病が出てくるものを避け、ほのぼのアニメを見たり、Sexy Zone をみて過ごしていた。勝利くんの高級レストランで無邪気に過ごすラジオほど滋養になったものはなかった。

 

心境に変化が起きたのは昨日のことで、ラジオで流れてきたこの曲に背中を押されてもう一度落ち着いて青天を見た。

 

二度目の「栄一と千代」には気付きがたくさんあった。まず、栄一の無言の慟哭。初見の時はずっと栄一の声がしたような気がしていた。それから、千代ちゃんが「生きて」という直前、栄一の「お前がいなくては俺は生きていけねぇ。もう何もいらねぇ」に対しての顔。わたしがこの10ヶ月確かに見てきた強くて優しい大好きな千代ちゃんだった……千代ちゃんはずっとずっと栄一に一途だったんだ。

千代ちゃんは自分の道を生きる栄一が大好きで、大切で、だからこそ「生きて」で、ただ生きるんじゃなくて「必ず、あなたの道を」なんだな……千代ちゃん……千代ちゃんは自分無しでも栄一に栄一らしく生きて欲しかったんだな……それが一番大好きな姿だから……たまんねえな……

栄一はどこにいても何をしていたとしてもずっと千代ちゃんを探していて、だからこそあっちこっちで浮気をしまくったんだろうなと妙な納得もした。「千代がいなきゃ生きていけない」から。代わりを求めて彷徨うなんてかわいそうなやつなんだ、栄一ってやつは……

栄一が千代ちゃんの好きな栄一でいられるか見届けなくてはならないと決意した。

 

そうしたらふと、安子が心配で心配でたまらなくなったのだ。ああ安子。わたしのかわいいかわいい安子。無事だろうか。元気だろうか。

大急ぎでそのまま溜めていたカムカムを見た。ありがとうNHKプラス。病室だろうがなんだろうがどこでも安子にあえるの本当にありがたい。

ああ安子、となんど泣いただろう。ああ安子…!!戦争が本当に憎い。なにもかも安子から奪っていく。なんと、なんと憎く愚かなものであろうか。

 

せめて、と心から願った。せめて、せめて稔だけは。安子の灯火だけは明日帰ってきてほしい。きっと明日の安子は、ひなたの道を歩ける。

 

そう信じて迎えた、久しぶりの8時。

結末はひどく悔しく悲しいものだった。

 

先週は安子が嫁に出て泣いたのに。ああ、なんてことだろうか。たった5日、たった75分で安子の宝物がなにもかも奪われてしまった。せめて父がいたら、せめて母が、せめておばあちゃんが、そんなせめてすらもかなわない。なんと、なんと切なく儚く、痛いのだろうか。安子がここまで築いてきた、一生懸命重ねてきた幸せがたった75分で全部壊れてしまった……

 

稔、お前が安子を、一番大事な安子をおいていくな……お前が安子を……1人にするな……

お前さんたちが「戦争ありきの結婚だった」と気付いてしまったらおしまいなんだよ。そんなこと気付く必要これっぽっちもなかったんだよ。なあ、聞いているか稔、なあ!

 

NHKは私をどうしたいんだろう。まじめになんで千代と稔を被せた、再起不能な人間を量産させて国家転覆でもしたいのかNHKは。なにがしたい。わたしは未だにofficial髭男dismのアポトーシスを聴いて千代を想い涙を流す夜があるというのに。なぜ被せてきたんだ。聞いているかNHK

 

それにしたってふざけんなよ稔、お前だから、お前だからわたしは安子を託したんだぞ、なあ稔、お前が安子をおいていくな、なあ、稔、かえってこいよ……安子を1人にするなよ……お前が安子を泣かせるなよ……

安子はなあ、「あなたと」ひなたの道を歩きたいと言ったんだ……わたしみたいな名もなきそこらのバカなモブじゃだめなんだよ、「稔と」ひなたの道を歩きたいと言ったんだぞ!!!!!お前がいなきゃあんなにも暗い道なんだぞ!稔!!!!!なあ稔!!!!!聞いているのか!

 

勇ちゃんも辛かろう…兄を亡くし、しかもその知らせの反応を通していかに安子が兄を大切にしていたかを改めて突きつけられてしまった。ああ勇ちゃん、君だけでも帰ってきてくれてよかった。よかった……

 

正直今まで辛い朝ドラは最終回で推しが生死解らず目を覚まさないあの苦しみを超えるものなどないと思っていたがもうそんなことを言ってられなくなってきた。わかっている。わかっている、朝ドラはなまやさしいもんじゃない。戦争に救いなどない。わかっていたが、だけども、せめて稔は、稔だけは、安子から奪わないでほしかった。安子にもう一度、一番愛しい人とひなたの道を歩かせてあげたかった。なぜそれすらも叶わないのだ……

 

なによりも、安子が稔からされた最初で最後の意地悪がこれなのが本当に苦しい。稔がこれまで安子にしてきた小さないじわるは全部全部幸せで、あったかくて、優しかった。でも今日の「意地悪せんといて」は、安子にとってはじめての幸せじゃない、本当の意地悪なんだ。安子……ああ安子、稔の存在が安子の太陽だったのに。ああ安子!!!!!

 

こんなクソモブはテレビの向こうで安子の幸せを祈ることしかできない。なぜなら安子の涙をハンカチで拭えるのは稔だけだからだ。それは稔にだけ許された、優しい優しい特権だからだ。他人が涙を拭っても安子は救われない。稔だから、安子は救われたのだ……

 

だいたい、稔、お前は今まで安子の願いをすべて叶えてきただろう…?お手紙も、ひなたの道も、結婚も、全部全部叶えてきたじゃないか。それを、どうして、無事に帰ってきてねという願い事は叶えられないんだ、なあ稔、それが一番大事な願いだって聡明なお前さんならわかるだろ、稔…………菅波のトンチンカンを今思えば救いだったなあなどと思わせるんじゃないよ…………菅波はあれだからいいんだよ……なんで今になって菅波の株が上がってんだ…?

 

これはめちゃくちゃな八つ当たりですが、なんかそれもこれも安子が惚れるくらい立派で慎ましく爽やかで凛々しい稔を松村北斗にやらせたNHKが全部悪いんじゃないのか?というめちゃくちゃな思考になっています。やっぱり悪いのはNHKでは?松村北斗を選んだNHK、大罪では?だって稔があんな好青年じゃなかったらこんなことにはなってなくない?はあ?なんなん?

 

安子を鮮やかに奪ったあげく、くそう、悔しい。ああ悔しい!!!!!生きてかえってこいよ馬鹿野郎!!!お前ならフラグ破壊くらいできただろうがよ!!!!!!!

 

それもこれもぜーんぶ松村北斗さんが立派に稔をやり遂げたからですよ!!ばーか!!!!!

俺は稔を、松村北斗を許さない

泣きながらブログを書いている。昨日の夜のカムカム公式さんのツイートを見てから正直覚悟はしていたんだ。だけども、受け入れられないのが恋心というやつで。

 

絶対許さないからな。

俺は稔を、松村北斗を絶対許さないからな!!

 

朝ドラ終了後に久々にフリーズしていた。純と愛のとんでも最終回以来かもしれない。菅波の時ははしゃいでいたし、梅ちゃんの時はきゃっきゃしていた。

 

ああ、朝から失恋してしまった、

俺の安子が、稔のとこへ嫁いでしまった……

 

 

 

いいですか?朝ドラというものは基本的にじいちゃんばあちゃんの願いが絶対に形になる全世界の孫に優しいドラマなわけですよ。じいちゃんは安子の幸せを心から願っていたわけ。ってことはもうその時点で安子が稔のとこへいくのがわかってたわけ。

 

そしたら、そしたらよお、今朝

 

 

 

やすこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 

失礼しました。断末魔が朝から響いてしまいました。いやそれにしたって、それにしたって……安子、稔でいいのか?…いいんだよな。稔がいいんだよな。それはわたしが一番よく知ってる。小さい頃から安子を見てきたわたしが一番よく知ってるよ……安子……正直稔が死んだ目をしていた時は「悪いな……安子は俺がもらう……」という気持ちでいたのにあんな幸せそうな安子を見たら「おめでとう」って泣くしかないだろ、だって安子が好きなんだから…安子の幸せが一番なんだから……

だから朝ドラなんかみたくなかったんだよ。わたしはこうやってすぐヒロインに対して親心を抱き最終的には失恋するんだ……いつまでも学ばない。

 

それにしても稔のやつ本当にずるい男だよな!!あいつ全身初恋泥棒みたいなやつだよな!かっこいいんだよ!!!出てきた瞬間恋じゃんあんなの。なにが悔しいって安子が稔を見ている時が一番かわいいから稔に対して悪口が言えないこと。だって稔の否定はかわいいかわいい安子の否定になるんだ。チクショウ!!!俺の安子をさあ!!

そのくせ中の人はベストアーティストでは眼鏡かけて稔のみの字も見せずに歌って踊るわけ!なんなんだよ松村北斗!ずるいんだよな!!綺麗だしかっこいいしそのくせ言葉に品があるしなにより文章がうまい!腹立つくらいエッセイがうまい!!なんなんだよ松村北斗!かっこいいな!!そうだ、こないだのベストフレンドの曲振り最高だったよ。友達になったら安子を譲ってくれるか?

 

それにしたって!歩く初恋泥棒稔!!!安子を泣かせたら許さないからな!お前は朝ドラによくある絶対叶わない初恋という美味しいポジションを返上してまで俺の安子を手に入れたんだぞ!!!

おい稔!!安子が本気で好きだった視聴者もいるんだぞ!!!幸せにしなきゃ許さないからな稔!!!!!今日が安子と稔の一番の幸せでした、みたいなの絶対許さないからな!生きて帰ってくるんだぞ!!安子ちゃんとお前はずっとひなたの道を歩くんだからな!!!!!

 

いいか稔、初恋フラグを鮮やかに回避して見事に幸せになったんだからこのまま戦死フラグも回避しろ、絶対だぞ。俺の安子をお前に託したんだからな!!!!!安子をのこして死んだら絶対許さないからな!

 

チクショウ…我が人生において稔に、松村北斗に勝てる要素が一ミリもない…ここまできたら絶対安子と幸せになってもらわなきゃ困ってしまう…いいか、絶対ひなたの道を安子と歩いていくんだからな。お前と安子が幸せになるためにアルバム予約したんだからな。頼む、頼むぞ稔。必ず安子を…幸せにしてくれよ…

 

稔はとんでもないものを盗んでいきました。

わたしの安子です……

 

責任とって無事に生きて帰ってきてください。

そうじゃなきゃ絶対許さないからな!!

落語「せくしいぞおん、10さいになる」

さあてさて、みなさんどうもこんばんは。つぐみ亭たまねぎでございます。いやあ、立派な薔薇が咲いてますなあ。薔薇園で落語をやらせてもらえるなんて、なんと雅な。25歳の誕生日のプレゼントだと思って、一席設けさせてもらいます。

 

今日お話するのは「せくしいぞおん」って話なんですけどね、とりあえずその前に最近のわたしの困りごとを一つ聞いてほしいんでありますよ。悩みなさそうだよね、とかよく言われますがんなことありません。むしろそれを言われることが悩みですとはよく言ったものでして。わたくし最近変なじいさんが夢に出てくることが多くて悩んでるんですよ。そのじいさん、変な帽子かぶってすやすや寝てるわたしに言うんです。「ユー、ショーリは元気かい?」って。はて、と思うじゃないですか。見知らぬじいさんが口を開けば「ショーリ」「ショーリ」とそればかり。ショーリってのは誰だい、って言えばね、「ユーには絶対教えてあげない」って言うんです。まったく、お前なんか13月を探しに行ってしまいたまえよ。わたしゃ最近胃もたれ腰痛おまけにおひとつ膀胱炎。三十路を控えて不調のオンパレード、怪しいジジイに構う暇があったら体を治したいんでありんすよ。

さあてそんなこんなで話は江戸と明治の境、血洗島の端、わたしの他にもこの夢を見たって人がいるんだから驚いた。江戸の端の問屋にフウマって名前の商人の息子がおりまして、どうやらそのフウマってのがその夢を見たらしい。しかもある秋の夜から毎晩毎晩、たまったもんじゃありゃしない!それだったら服が溶けた方がマシだあってフウマは思ったわけでして。だけども風通しよくスースーできる衣類はできても服は溶けないし夢は変わらない。ある時困っちまったフウマは、三軒隣のぶえもんっちゅう茶屋でその夢の話をぽろっとしたわけだ。毎晩毎晩変なジジイがショウリを探せショーリを探せ、うるさいのなんのって。武衛門茶屋の次男坊、ソウはそれを聞いてうんうん考えた。じゃあトンビにお菓子をあげたらいいんじゃない!?と導き出した答えにフウマは団子を落として大騒ぎ。なんだそりゃ、だいたいそんなに簡単にトンビは来ないだろ!ええ、きたよお。僕こないだお団子とられちゃってさあ。ソウの答えにフウマはまあたお前はすぐ危険なことする!って怒ったんだな。なんせこの2人、巷じゃ兄弟、フウマとソウだからフマソウなんて呼ばれてたわけなんですよ。悩んだこのへっぽこ兄弟は考えた。よおし、とりあえずまりうすのとこさいくんだべ!だんべえだんべえ!なんて調子で、2人は店とかぜーんぶ無視して江戸さ向かったわけで。

あ、そうそう。まりうすってのは江戸と血洗島のちょうど間くらいにあるとこに暮らしてる、西洋文化に詳しい聡明なお兄さんのこと。渋沢っちゅうこの辺で有名な商人の息子も頼りにしているとかしていないとか。まあとにかくこの兄さんさ、なーんでも知ってるって有名なんだ。だけども頭がいいかわりに時々河原でばげっとおとかいうかってえかってえ古米さ潰したのを叩いてるっつう噂もあるとかないとか。とにかくまあ、ふたりはまりうすに夢占いってのをしてもらいにいったんだ。前にフウマがまりうすから聞いたのをちゃんと覚えていたんだってよ。

「…なあにそのおかしな夢」

ところが、最近だあいすきなソウがなかなか遊びに来なくてちょいと拗ねていたまりうすは夢の話を聞くだけ聞いてこう言ったっきり拗ねちゃった。困ったなあ困ったなあと2人は考える。こまったなあ、こまったなあ、こま…こま……こわいなあ、こわいなあ、こわいなあ…「昔々、ここらで長谷部っちゅう翁が」ああ大失敗、何を思ったかフウマが突然怪談話始めちゃって、まりうすはますます不機嫌になった。このままじゃあ埒があかねえなあ。そう思ったフウマは、最近の流行り病にならぬように玄関の扉さそおっと開いたってわけ。

そおしたら驚いた!!でっかいトンビがすうすうって入ってきて、そのまんまソオの持ってた五平餅持って飛んでったんだあ。それを見たまりうすとフウマは大爆笑。ソウだけが「僕の五平餅かえしてよお」って泣いていたとかいないとか。

とにかくまあ、ありえないと思ってたトンビのおかげでまりうすは喜びそおかけまわり、フウマはこたつで丸くなる。すっかり機嫌を直したまりうすは、水晶で夢占いをしてみた。そおしたら見えたんだ!江戸城で微笑む美しい男が!!しかも後ろの掛け軸に「サトウショウリ」とデカデカ書いてある!

3人はなあんにも考えずに江戸城さ急いだ。夢のことしか考えてなかったから、今の江戸が結構危ないこととか、普通の商人が江戸城になんか入れないこととか、すっかり忘れてたわけだ。

 

からんころん、からんころん。一方その頃、遠い砂漠の星の向こう。だだっ広い場所で、噂のサトウショウリは寝転がってたんだって。ひとりぼっちで、手に薔薇を片手に。そこはもはや地球でもない場所で、ただただぼけっと空を見ていた。なして彼がこんなところに1人でいるかと言うと、まあ話し出すと長くなるんだけども、彼は存在証明をするかしないかの選択をしなきゃいけなくなって、自分を選んだんだわな。彼はもともとせくしいぞおん、って名前のアイドルだったんだけども、いろんなこと、まあ人の焦りだとか怒りだとか、そういうことに塗りつぶされちゃったりなんかして、自分たちのことを語り継ぐか、それとも全部なかったことにするかを選ぶことになったんだとよ。そんで彼は、迷わず選択肢に自分を加えた。自分が犠牲になるから、名前を語り継いでほしい。自分が犠牲になるから、なかったことにはしないでほしい。そんなわけで掲げられた3つ目の選択肢で、彼は今ここに1人で寝ているわけだ。

あれはなかなか大変だった。みんなショウリが希望だった。だけど、だからこそショウリはもがいた。希望というのは時にサンドバッグになっちまう。世の中ってのは優しくないんだな。

でも、と砂に混ざって時々香る甘い匂いを感じながらショウリは思うんだ。5人分の生きた証がちゃんと残っているから。それでいい。

 

話はにやかな江戸に戻る。意気揚々と江戸城に向かっていたへっぽこ3人組、あろうことか徳川家茂のお付きの者と喧嘩して捕まっちまった。江戸の町が今すさまじく物騒なことを忘れていたもんだから、ついいつもの調子で3人でちょっかい掛け合って遊んでたらやらかしちまったんだなあ。ああなんて運がない!!

「…キクチ」

ああ裁かれる、そう思って顔をあげたら目の前にいたのはフウマのよく知るケントだったんだ。ちなみにこの2人、幼馴染なのにもう5年は冷戦やってて口を聞いちゃいない。最近は顔も見てなかったからフウマは血洗島から江戸に出たケントが大岡裁きのケントなんて呼ばれるすっげえやつになってたことを知らなかったんだ。ケントは大層喜んだ。キクチがオレにあいに来てくれた!!まあ実際はちょっかいかけあってたらたっけえモノを壊した大罪人としてここにいるんだけど、ケントにはそんなことよりキクチが自分にあいにきてくれたってことの方が大事だったんだ。

「流れ星がおちてきたから無罪!」

歴史に残る恩赦で3人は解放された。フウマは2人と一緒に、ケントとの久々の会話を楽しむ。ケントが三杯目のがつがつ油そばを食べていた時、フウマはふと思い出した。

 

そうだった。江戸には、探し人がいて!

 

かくかくしかじか、フウマはケントに説明をする。夢を見たんだ。変なじいさんが、ショーリ、ショーリって。

ふうむ。ケントは考える。江戸城のショーリ。聞いたことがあるような、ないような。

 

おめえ、いつまで油そば食べんだ?

うめえもんはやめられないからなあ。

さすがに食べ過ぎだろ…

あはは、前にも誰かに言われ、

 

カタン。ソウが飲んでいたくりいむそおだのスプーンが落ちる音がして、ケントはふと首を傾げた。ありゃ?誰に言われたんだっけ?

 

 

「ね、ケンティさ、野菜もとろうよ」

 

 

キクチ、オメエ、オレのとこケンティって呼ぶやつ知らねえか?

なんだあその名前の呼び方。

わからん、ハイカラな呼び方だろうとは思う。

んだなあ。だいぶハイカラだ。

 

2人がむくむく食べていたら、後ろからそおがばかでかい声で叫んだんだ。すっげえ!!なんだあの赤い花!!!!!

 

ソオチャン、あれはバラだよ。

へえ、バラ!いいなあ、おれもみたい。あの屋台どこいくんだろ。

どこだろねえ。追っかけてみようか。

うん!!

 

末っ子ふたりにゃ驚かされる。うかうか甘味を食べてたらもう外にいっちまった。困った困った!!

 

まってえ、バラ!

待て、まつしま!!

 

お互いに追っかけっこして、4人は江戸の町をかけぬけた。

 

 

 

さあて、ここまででピンと来たお客さんも多いと思うんだなあ。そう、これは500光年くらい遠い地球って星のスーパーヒーローの話だ。せくしいぞおんが地球からきて、この星を耕したことくらいみんな当たり前に知ってんだよな。知らねえやっちゃよっぽどの不勉強。

だけども、この先は人によって言うことさ違うんだべな。たとえば、この後4人は鬼ヶ島にたどりついたとか、たとえば、そもそもせくしいぞおんの話っちゃ吟遊詩人の書いた嘘っぱちだとか。わたしが小さい時にゃショーリは王様で、4人の盗賊と友達になったんだって習ったもんよ。そんでまあその盗賊の服が溶けるとか、白良浜で国を再建するとか、面白おかしく聞いたもんだよねえ。

 

そんでまあ、今日はつぐみ亭たまねぎ流のせくしいぞおんの話をさせてもらいますよお。

江戸の町を駆け抜けた4人は、神隠しにあって、ショーリと過ごした日々のことを思い出すんだ。そうだ、いつも5人だった。ショーリは優しくて、強くて、芯があるやつだった。それで、真ん中でいつだって、凛としていた。

迎えに行こう、と彼らは決めた。ショーリを迎えに行こう。あいにいこう。

 

ショーリにあえたのは、せくしいぞおんが怪しいジジイによって作られた日からちょうど10年の日だった。その日、砂漠には朝から立派な薔薇が咲いたんだそうな。

 

最初に砂漠に咲いたのは青い薔薇。まっすぐな薔薇。次は紫。気遣いの薔薇。その次は緑。優しい薔薇。最後はオレンジ。希望の薔薇。

 

そんで、真ん中に咲いたのは、赤い薔薇。強さの薔薇。どんなに砂をかけられても、どんなにサンドバッグにされても、折れずに咲き続けた赤い薔薇。

 

最初はジジイが薔薇を植えろといったから植えたけど、気付いたら自分たちで植えられるようになった。時には強すぎる祈りの雨が降ったし、時には豊作を焦りすぎたせいか砂まじりの風が吹いたけれど、彼らが自分たちで植えた薔薇は、いつまで経っても枯れずに咲き続けたんだそうな。枯れても、咲き続けたんだそうな。寄り添うように、いつまでも。

 

さあて、今日の小話はここまで。つぐみ亭たまねぎはそろそろ高座を降りることにいたしましょう。ええ?その薔薇は今どうなってるかって?やだなあ。見えてるじゃあないですか。あなたのすぐそばに。いつだって大事なものは目の前にあるって、あなたがそう言ったんでしょう?思い出した?それは僥倖。15年前のことを忘れないでちょうだいよ。

 

さあさあ、そろそろ本当にしまいますよ。なにせ、今日はお誕生日祝いをしなきゃいけませんからね。強く優しくあたたかな子達のために、今日くらい願わせてくださいな。今日くらい、いつもありがとう、これからもよろしくねって、願うことを許してちょうだいな。

 

勝利の先にある健やかで聡明な、爽やかな風が葉を揺らす未来に、ともに参ろうぞ。

それではこれにて今日の小話、おしまいおしまい。

祖父の記憶と「少年たちの終わらない夜」

祖父の本棚でしか読めない本があった。名前の読めない作家の本で、「少年たちの終わらない夜」という名前の本。

 

わたしの祖父は読書家で、祖父の家には背の高い本棚がいくつもあって。読んでも読んでも終わらない、図書館みたいな家だった。

ただ祖父は自分の本を他人に読まれるのが非常に嫌な人で、小学校高学年の時にこっそり読んで引くほど怒られたことをよく覚えている。時が経ち、わたしが高校生になると少しずつ祖父が本棚の本をを読むことを許してくれるようになった。

その頃のわたしの密かな夢のひとつは祖父の本棚にある本をすべて読破することで、祖父が許してくれたものからこっそりちまちまと読み進めていた。その中のひとつが、「少年たちの終わらない夜」だったのである。祖父が許してくれたという喜びに満たされながら、長期休みのたびに何度も読んだ。

 

ー今度はさ。

ーなに?

ー今度は、アイダが僕の言うこときかなくちゃいけないんだぜ。

ートンボ返りは無理だわ。

ーそうじゃないよ。

ーじゃあ何?

ー道路の真ん中で、キスしよう。

 

ここが特に大好きで、未だに目を閉じて唱えることができる。何度も何度も読んだ。大人になったらこういう恋をするのかなあって、憧れと切なさを含みながら。

 

許されるなら自分の手元に欲しい本だった。ところが当時の私は山奥の学校に通うだけで毎日限界で、書店に行くなんてできるわけがなく。とか言っていたら声が出なくなって不登校になり祖父の家にも行けず、と少しずつ夢の本棚は遠くなっていった。

 

もう一度夢に触れられたのは大学一年生の夏休みで、わたしは1ヶ月間まるまる祖父の家にこもってひたすら本を読んだ。その頃の祖父は元気だけど弱っていて、わたしが何を読んでもにこにこ笑うだけだった。それが少しだけ怖かったのをよく覚えている。

 

祖父と最後に会ったのは、大学2年の正月だった。親戚みんなでにぎやかにご飯を食べて、とっても楽しかった。あの時は本は読めなかったけど、祖父と一緒に映画を見た。どうしてあの時祖父はあんなにわたしと映画をみたがったのかなって、ふと考える時がある。

 

それから1ヶ月後。祖父は、たくさんの本と優しい記憶を残して亡くなってしまった。正直誰も予想してなかった。雪の降る夜、外で用を足そうとして、倒れて、そのまま次の日に亡くなってしまったのである。祖父が亡くなってから数日はとにかくみんなバタバタ動き回っていたのでろくに何も覚えていない。覚えているのは、祖父の四十九日の時に玄関の階段ですっ転んで、93のひいばあちゃんに大笑いされたことくらいである。「もうばあちゃんに転ぶなって言えんねえ」って、それはそれは楽しそうに笑っていた。わたしは、鮮やかに靭帯を切った。

 

そんな調子だったものだから、誰も祖父の本棚のことを気にかける余裕なんてなかった。ようやく祖父の本棚の話が出てきたのは半年後の夏のことである。親戚一同満場一致で私に祖父の遺産とも言える本は全て委ねられることになった。大量の本をどうするかは全部読んでから決めてくれていいよ、と大変ありがたいことを祖母が言ってくれたので、わたしは片っ端から祖父の本棚の本を読んだ。ところが、何冊読んでも「少年たちの終わらない夜」に出会えない。待てど待てど、アイダとキスができない。

 

やけになったわたしは、ひとまず読破計画を中断し「少年たちの終わらない夜」を探した。ところが探せど探せど出てこない。蔵を捜索してもない。出てきたのは曽祖母がいつか慰謝料をぶんどるためにと書いていた曽祖父の浮気の記録を記した日記帳だけだった。

 

祖母とその娘である我が母の話を統合すれば、どうやら祖父が亡くなる直前本を一部どこかへ譲渡したり寄付したりしていたらしく、「少年たちの終わらない夜」はそこに選ばれていたらしかった。譲渡先や寄付先はいくつかあって、祖母と母は把握していなかった。

 

これを知った時、わたしは暴れた。柄にもなく暴れた。こたつの綿をむしりとりすぐに戻すという暴挙を働きまた曽祖母に爆笑された。「そんな大事な本なんかね」とけらけら笑っていた。そりゃ大事に決まってる!だってわたしが一番好きだった本なんだから!

 

探しても探しても「少年たちの終わらない夜」は見つからず、手に入らず、それから随分時が経った。いつか復刊しないかなあって、自分の手で本屋さんで買いたいなあって、夢を見ていた。

 

 

そして2021年。わたしはTwitterを見て奇声を上げた。滅多に怒らない同居人に怒られるくらいの奇声だった。

 

鷺沢萌 「少年たちの終わらない夜」復刊。』

 

2021年一番めでたいニュースが飛び込んできたんだもの!!奇声を上げないなんて無理!!!!!

 

わくわくしながらTwitterのおすすめの「少年たちの終わらない夜」を押して、わたしは息をのんだ。並んでいた単語に冷や汗をかいた。

 

斉藤壮馬 復刊」

 

あれほど理解が秒速だった瞬間、あっただろうか。

かーっ!!って声が出た。かーっ!!斉藤壮馬!あの!2019年の河出さんのフェアで「西瓜糖の日々」と「銀河ヒッチハイク・ガイド」を選んだあの!斉藤壮馬が!復刊のきっかけを!!!!!

わたしは斉藤壮馬さんが「西瓜糖の日々」と「銀河ヒッチハイク・ガイド」を選んだと知った時から一生ついていかせていただきますと思っていたのだが、またやってくれたのだ。本当に頭が上がらない。ありがとう斉藤壮馬!貴方は救世主だ!

 

 

 

 

またアイダにあえる!!!!!

 

 

 

とにかく早くあいたくて、ずっとずっと書店に行ける日を待ち望んでいた。やっと書店で、自分の手で、「少年たちの終わらない夜」を手に取れるんだ。嬉しくて嬉しくてたまらない。

 

 

ギックリ腰との戦いを経て、今日、わたしはアイダに再会した。はじめて自分の手で、「少年たちの終わらない夜」に触れた。本当に嬉しい。

 

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ありがとう斉藤壮馬さん。ありがとう河出書房新社。ありがとう河出文庫。久しぶりだね、「少年たちの終わらない夜」!

 

アイダ、あなたにずっとあいたかった。

会いたかったんだよ。

 

さあ。愛しい君の頭の中を探検にいこう。

ゆっくりゆっくり、読んでいきたいと思います。

しょうりくんの好きなところ

眠れないので今日の主役、勝利さんの好きなところを年の数だけ25個羅列してみたいと思います。

 

1.とにかくかわいい

なんであんなにかわいいんだろうね。かわいいよね。

2.己のかわいさに対して自覚がない

中島先生が「勝利はあざとくないね!!まったくあざとくない!!!」って言ったのはたぶんこれが大きいと思うんです。佐藤勝利はかわいいとかかわいくないとかそういう次元じゃないんだよな、きっと。

3.すぐマリちゃんと張り合う

わたしはイソギンチャク事件と折り鶴事件を忘れない。

4.綺麗

「キレイとは傷跡がないことじゃない 傷さえ愛しいというキセキだ」って、佐藤勝利さんのことを言うんですよ。覚えておいてください。

5.まっすぐ

そんか勝利さんにいつも救われている

6.よく食べる

健全に育て、勝利

7.末っ子だけどまんなかっこ

まんなかと末っ子じゃえらい違いだったかもしれないけど、お兄さんたちはいつでも君の味方だからね…

8.ちょこまかしている

だからユージンはぴったりだった

9.年齢不詳

だからユージンは最高だった

10.真面目

よく令和の時代にブレずにいれるよな…あなたを本当に尊敬しています…

11.強い

なにもかも強い。だからこそ貴方がなにかを恨まないよう願っています

12.声がかわいい

かわいい。

13.よく笑う

わらい方が愛おしいよね、けんとくん!!

14.絶妙なギャグセン

この人がSexy Zone育ちだ…と思うところ

15.かっこいい

これは声高に言いたいんですけど佐藤勝利にイケメンなんて言葉を使うな。佐藤勝利は「かっこいい」のよ。そこらのイケメンと一緒にしないでちょうだい!!

16.誰よりもジャニーズに対して真剣

最後の正当な血筋をひく男ですからね…

17.咀嚼音さえ美しい

なんであんな最上のASMRをただできけてしまっているんだ我々は

18.けんしょり

中島先生のことをよろしくお願いします。

19.しょりそう

一生土鍋ご飯

20.さときく

わたしね、さときくがすきだよ。

21.しょりまり

イソギンチャク

22.名前負けしない精神

佐藤勝利」を25年間生きてきたことをもっともっと勝利さんには誇りに思ってほしいよ…

23.好きなものを好きと言える

その強さにいつも救われています

24.笑い方

勝利さんのためにかわいいはあるんだよね

25.Sexy Zoneを、選んでくれたところ。

勝利さん。Sexy Zoneにいてくれてありがとう。グループを大事に、愛してくれてありがとう。貴方がいてくれるから、信じてみようと思えるんだよ。

 

わたしがジャニー喜多川に唯一勝てる点は、佐藤勝利さんのこれからをリアルタイムで見届けられるというところです。ヒロム、勝利さんが25だぞ!見届けられなくて残念だったな!

勝利さん。いつだってまっすぐな勝利さん。わたしはあなたを愛しています。尊敬しています。

お誕生日おめでとう。

この先の未来に幸あれ!!!!!

拝啓 憧れのV6様

V6のみなさんへ。

 

学校へ行こうを見ていて思い出したことがあります。V6のみなさんにお礼を言いそびれていたなと思って、書いています。青年の主張は興味ないかもしれないので、静かにネットに流します。

 

わたしが新卒で就職したのは、不登校の子どもたちのための場所でした。学校が嫌いで、家が嫌いで、大人なんか大嫌い。そんな子どもたちがたくさんいました。

 

あの子達の言葉の中で忘れられない言葉があります。

「道徳の教科書なんてクソ喰らえ」

道徳の教科書は全部うまくいきすぎる。俺の親はあんな風にしてくれない。優しくない。

 

当時の私は新卒で、あの子達からしたら大人には見えなかったらしく、いろんな話をたくさんしてくれました。蹴られたり、燃やされかけたり色々あったけど、それでも他の大人よりはなにげない話をする時間が多かったように思います。

話をする中でわたしはあの子たちに、信頼できる大人を見つけてほしいなあと思うようになりました。親でも、家族でもないおとな。いつでも優しい大人。先生はいつか離れてしまうけれど、できればいつでもそこにいてくれるような大人。あの子達が1人になっても、希望になってくれるような大人。わたしがなれたらよかったけど、あの時の私には無理だったから。

 

そこで頼ったのがV6のみなさんでした。きっかけなんて覚えてないけど、上司に頼んで経費でV6のCDやらDVDやらを買いました。今考えるとよく許してもらえたなと思います。わたしにとってV6はいつでも変わらない大人で、ずっと優しい人たちで。もしかしたらあの子たちにとってもそうなるかもって信じていたのです。

 

「困ったらV6見るんだよ」って、わたしは当時よく彼らに話していました。「V6は絶対に優しいから。道徳の教科書よりずっと優しい」って、ずっと話していました。あの子たちにとって、道徳の教科書なんかより、V6のほうがずっとずっと身近で頼もしい存在になればと願っていました。なんとかして、頼りになる、いつでもうまくいく希望をと願っていたんです。

 

はまらないこもいたけれど、V6に食いついた子達はたくさんいました。あんまり笑わない子がV6を見てる時だけ笑う時もありました。V6を見てる時だけは、わたしに暴力を振るわないのです。壁を燃やしたり、穴を開けようとしたりしないのです。落ち着いて、映像に夢中になってくれたのがまず奇跡でした。わたしはそれを見て泣いていて、V6はこの世の道徳なんだなと思った記憶があります。本当にありがとうございました。みなさんのおかげで、大人になれた子どもがいます。

わたしの新卒で就職したその場所は、去年コロナで持たずに潰れてしまいました。だけど、確かにあの場所でみんなでV6を見た記憶と写真が残っています。

 

V6のみなさん。あの時は本当にありがとうございました。学校へ行こうをみながらなんとなくそんなことを思い出していれば、当時の上司から連絡が来ました。わたしが最初に送り出した子が、大学に入学するという連絡でした。上司もV6さんを見ていて思い出してくれたみたいです。

どうやら、なんとかなったようです。みなさんに支えてもらった子どもたちが、来年の春大学生になります。みなさんにしか笑わなかった子どもです。風のたよりによれば、先生に憧れているらしいです。あんなに無愛想で、壁中に穴を開けて、わたしをしょっちゅう蹴り飛ばしていた子どもが、V6にしか笑わなかった子どもが、大人になって先生を目指すようになりました。学校へ行けなかった子どもが、「学校へ行こう!」と呼びかける方を目指すようになったのです。

 

わたしにとってV6のみなさんは、いつでもそこにいる大人です。きっとこの先もそれは変わらないと思います。V6は平成だし、ふるさとだし、実家です。

 

 

みなさんのこの先が優しいものでありますように。

 

以上で、青年の主張を終わります。

本当に本当に、ありがとうございました。

White Message

大好きな、優しい薔薇の子達へ。

 

 

 

 

 

10歳のお誕生日おめでとう。

どんな10年でしたか?どんな日々でしたか?

今日、どんな景色を思い出していますか?

 

わたしが今日一番最初に思い出したのは、きらきら笑う5人の姿でした。楽しそうな、歌うような、そんなふうに笑う、いつものようにぎゅっとして笑っている5人の姿です。

 

けんとくん。Sexy Zoneでいてくれてありがとう。貴方がその場所にいてくれることは救いです。貴方のおかげでSexy Zoneにであえました。貴方のおかげで、生きることが楽しくなりました。ありがとう。

 

ふうまくん。Sexy Zoneを選んでくれてありがとう。貴方の生き方を尊敬しています。貴方のおかげでSexy Zoneがこんなにも愛おしい子たちなのだと知りました。貴方のおかげで、誰かに優しくできるようになりました。ありがとう。

 

しょうりくん。Sexy Zoneを誇ってくれてありがとう。貴方のまなざしを愛しています。貴方のおかげでSexy Zoneが大好きになりました。貴方のおかげで、本当の強さを知れました。ありがとう。

 

そうくん。Sexy Zoneを帰る場所にしてくれてありがとう。貴方の笑顔に救われています。貴方のおかげでSexy Zoneが誰よりも優しい子たちなのだと知れました。貴方のおかげで、息がしやすくなりました。ありがとう。

 

マリウスくん。Sexy Zoneを信じてくれてありがとう。貴方の言葉に世界を広げてもらっています。貴方のおかげでSexy Zoneが思慮深い子たちなのだと気付くことができました。貴方のおかげで、自分を大切にできるようになりました。ありがとう。


いつも、たくさんたくさんありがとう。貴方達がそこで笑ってくれることが救いです。貴方達が歌い続けてくれることが、何よりもの希望です。

 

貴方達の帰ろうと思える場所がいつまでもSexy Zoneでありますように。貴方達の夢を叶える場所が、Sexy Zoneでありますように。

 

本当はどんな道を選んでも自由に羽ばたける子達だと知っています。だからこそ、Sexy Zoneでいてくれる今を、今日を、大切に、愛を込めて生きていきたいと思うのです。

 

勝ち負けじゃなくていいよ。貴方達が思うがまま、誰かの声に染まることなく、走り続けることができるようにと願っています。

 

10歳のお誕生日、おめでとう。

今日も優しい、大好きな笑顔の5人でいてね。