君がここで笑うシーンが

いや、答えなんかはいいんだ ただちょっと

安子の「ひなたの道」

本当は勇について書きたいなとか色々思っていたのだけれど、あまりにも気持ちがおさまらず衝動のまま仕事の合間に筆をとっている。

 

安子…………しかいう言葉がない。このまま憎まれものとして終わってしまうのか、安子……!なにもかもなくして、苦しい気持ちのままアメリカに行って、るいには嫌われたまま。稔を引きずったまま。ああ、安子。なんてことなんだ、安子。

 

結局安子は稔の影に縋って、ずっとひとりぼっちで、日陰の道を歩くしかない。安子自身のひなたの道は、完全に閉ざされてしまった。

 

るいはこの先大人になってひなたの道を歩けるかもしれないけど安子はずっと孤独のまま、稔のかわりを求めて彷徨ったままなのがつらい。安子からすれば稔を亡くしたあの日からずっと稔から意地悪され続けているのだ。「いじわるせんといて」って、安子からすればたったそれだけ。それだけ。「稔さん、いじわるせんといて」って。それ以上も以下もないんだよね、安子……

 

安子は結局稔の影を追いかけているだけで、自分自身のひなたの道を歩けてるわけじゃない。それが辛い。あまりにも辛い。そりゃ安子からるいへのあれは安子のこれまでを考えたら、「I hate you」はそりゃそうなのだけれど、でも、安子はこれでいよいよひとりになってしまった。いくらロバートがいてもだ。安子はずっと「稔から意地悪された」まま。稔のあけた空白はずっと埋まらない。むしろよく生きてアメリカに行くと言ったな安子……これまで生き抜いてきたな安子……

るいを手放すなというご意見はもっともだけれど、それはそうなんだけれど、安子にとっては「きじまのよめ」かどうかじゃない、「稔の嫁」であることが大事だったと思うんだよな……勇ちゃんと再婚したら稔さんとの久々まで奪われるような気持ちなんだよね……稔さんと暮らした家で、別の人の嫁として生きるとか絶対耐えられないよね……

だから稔の影がないアメリカに行くのもまだわかるというか、安子はなんとかして「稔の嫁」だった事実だけは守りたかったと思うんだよな…「きじまの嫁」はきじまの嫁でも、相手が稔であるかどうかで大きく意味が違うだろうし、稔さんと暮らした家で勇の嫁になることは安子にとってはとんでもない裏切り行為だったのではないかと思うんですよ……

 

勇ちゃんにも算太にもひなたの道を一緒に歩ける誰かがいた、るいにもきっとこの先現れることになる。でも安子は結局ずっとひとりぼっちなんだ。稔がいなくなったあの日からずっと安子は「稔にいじわるされた」、ひとりぼっちの安子のままなんだよ……つらい……せめてたちばなの誰かか、お義母さんが生きていたらよかったものの……ああ安子、その胸中いくばくか。ああ安子……

 

安子が自分勝手で済まされるのわかるけどわかりたくない、安子の無くしたものを考えたらそれで片付けたくない。安子にとっての「ひなたの道」はるいとじゃない、稔と生きる道なんだもの…… それが叶わないならきじまのとこにいる必要もないしロバートにすがって国外逃亡だってする。安子にとっては稔が一番だから。稔さえいたら、なんにもいらなかったから。

稔との想い出を汚されるくらいなら、なんにもいらないんだよね。安子……

 

そりゃるいちゃんはああなるでしょうけども、でも、安子の無くしたもの、孤独の中に強いられたものを考えたら安子を悪くはいえないんだよな……

安子から「稔の嫁」を奪ったらなんも残らないしたぶんお義母さん生きてたらこうはならなかった気がする……しんど……

 

責めるべきは稔を奪った戦争であって稔ではないとはわかっているけれど稔が生きていれば安子は確実に稔と生きていくことで安子自身のひなたの道を歩けたと思うので結局「稔、お前はなぜ」に尽きるというか……稔が生きてりゃこうはならんかったんよ……安子はずっと稔から「いじわるされた」ままなの……

 

稔…………お前なあ……わたしは血の涙を流して安子をお前にやったんだぞ、なあ稔……今の安子はお前にどう見えているんだ稔……惚れさせるだけ惚れさせといてお前ってやつはよお……ふざけんなよ!!名もなきモブがお前のせいで何人泣いたと思ってんだよこの野郎!!ばーかばーか!!

本当に家族みんなでラジオを聴いていたあの日々だけが、稔と過ごした微かな時間だけが、安子にとっての唯一の優しくしあわせな時間になってしまったんだな……つらいな……安子……

 

稔が亡くなるまでに安子にしてきた小さないじわるは全部全部幸せで、あったかくて、優しかった。でもあの日の「意地悪せんといて」ははじめての幸せじゃない意地悪なんだよね。あれからずっと「意地悪」は続いてるんだよね。安子……稔の存在が安子の太陽だったのに。ああ安子……

 

「もしかしてNHK、おばあちゃんはひなたの道を歩けませんでしたが娘と孫は無事にひなたの道を歩けました、みたいなことにするつもりじゃ…」という疑念はずっとあったけどまさか現実になるとは思いませんで……ああ、つらい。つらいなあ。安子。苦しいなあ、安子……

 

わたしは安子が大好きだよ……いや、わたしみたいな名もなきトンチキモブが安子に「I love you」と語りかけたところでどうにもならんがわたしは一生懸命耐えてきた安子が大好きだよ……たとえ自分勝手に見えても、稔との日々を守り抜きたかった安子のことが大好きだよ……

 

安子……結婚したのか?俺以外のやつと。

なあ安子、やっぱり今から俺と再婚しないか……?

 

俺は安子の「稔の嫁」としての矜持は絶対に守る。たちばなだって盛り上げる。俺は安子がひなたの道を歩けるならなんでもす……稔としか歩きたくないよな……わかってんだよ……

今週改めて安子の稔への気持ちを実感できてさ、そんな安子だから好きだって思ったのよ……安子の稔への気持ちを理解してんのは、勇より俺だと思うんだ……なあ安子、やっぱり俺と再婚しないか?

 

まあ全部、嘘なんですけど……安子には稔しかいないって知ってるんで……わかってますよ、「感情のないアイムソーリーそれはいつも通り」なので……

世の中たまねぎで解決できないことの方が多いですからね……長谷部の方がレアキャラなんですよ……

 

なんだか安子ガチ勢は色んな意味で心が折れたので、今日のところは速やかに仕事を放り投げ泣きながらおはぎを食べたいと思います。

 

ああ安子、安子……安子がひなたの道を歩けることを、俺は心から願っているからな!!安子!!!!!