君がここで笑うシーンが

いや、答えなんかはいいんだ ただちょっと

「現実の菊池風磨さん、触れたら壊れそうで。詐欺師とは全然違いました」ー勝手に5000字ちょっとインタビュー vol.2ー

・はじめに

まさかこんなに早く2人目のインタビューをお届けできるとは思わず、ふわふわとした気持ちではじめにを書いています。

さて、このインタビューは、『わたしたちが日々を生きていく中で、「アイドルがアイドルになったきっかけ」を知ることがあっても、「おたくがおたくになったきっかけ」「そのジャンルにたどりつくまでの半生」って、お互いに話さない限りあんまりしらないよね』 という素朴な会話から、立ち上がったものです。

おたくがおたくになるまでには様々なドラマがあって、それをどこかに残しておくことにはなにかしらの意味があるのではないか?という漠然とした名もなき命題を突き詰めるべく、まずは目の前のおたくの半生をたどることにしたへっぽこおたくの小さな旅路。今回出会ったのは、マッチングアプリ菊池風磨似の男に騙されてキレ散らかした結果菊池風磨のおたくになった』という方。これだけ聞くとなんだか複雑なような気持ちになりますが、そこには長い長い旅の終わりの果てに見つけた、楽園のような景色がありました。

このインタビューが、あなたが推しへの想いを再確認するきっかけになりますように。

5,000字ちょっとの物語に、お付き合いいただけましたら幸いです。

(もしもインタビューを受けてみたいという方がいらしたら、ご連絡くださいませ。事前シートをお送りします)

 

 

 

・今回お話を聞かせてくれた方

P.N いちじくさん

自担 菊池風磨

菊池さんに出会ったきっかけ:「マッチングアプリ菊池風磨似の男性に騙されて」

 

 

 

 

〜勝手に5000字インタビュー vol.2〜

 

 

「お前に菊池風磨の何がわかるんだよ!!って、

スクランブル交差点を泣きながら走ったんです」

詐欺の先に見つけた、希望の日々

 

ー言える範囲で、自己紹介をお願いします。


「新潟で営業の仕事をしています。社畜です。」


ー早速なんですが、菊池風磨さんと観音坂独歩のおたくをしているんですよね?(注:観音坂独歩…ヒプノシスマイクのキャラクター。シンジュク在住の社畜。)


「そうです。つぐみさんとは独歩のアカウントの方で出会って、もくりにもたくさん付き合ってもらって…いつかお会いしたいなあと思っていたので今日をとても楽しみにしてました。」


ーまさか別垢の相互フォロワーからもくりの中で『Sexy Zoneの話をしたくて…』と言われる日が来るとは思わず本当に驚きました。わたしも今日はおあいできて嬉しいです。


「独歩の話をするアカウントでは基本的に他の男の影を匂わせないようにしてるので(笑)」


ー本当に好きですもんね、独歩のことも


「好きです。わたしも大概ブラック企業にいて、独歩はヒーローなので(笑)」


ーそんな中で、菊池さんにひっそりと恋をはじめていたと。


「そうです、マッチングアプリがきっかけで(笑)ずっと誰かに聞いてほしくて、だけど言えなくて。でもつぐみさんとはもう2年の付き合いだからもくりで聞いてもらおうかなって(笑)なんとなく話したらあれよあれよという間にインタビューが決まって。」


ーいろんな菊池さんのおたくに出会ってきましたが、いちじくさんの話はぶっ飛びすぎてたので(笑)どうしても詳しくお話を聞かせてほしくて、お願いさせてもらいました。


「あんな話が誰かの役にたつなら…(笑)今日はいっぱい聞いてもらって、ちゃんと白黒つけたいなあと思います。よろしくお願いします」


ーこちらこそよろしくお願いします。では早速なんですが、マッチングアプリきっかけで菊池風磨さんに出会ったということでいいんですよね?


「まあ、大きく言えば…(笑)」


ーそもそもどうしてマッチングアプリを? 


「アラサーになって、まわりがみんな結婚して、子どもを産んで、とにかく焦っていたんです。結婚しなきゃ!!って見えないなにかに責め立てられるような感覚がずっとあって。」


ーああ、なんだかわかる気がします。


「でもわかりやすいブラック企業だし、仕事を押し付けて帰る会社の人に恋なんてしたくない。とにかく焦って出会いを求めてはじめました。」


ーそこで出会ってしまったわけですね?『自称・菊池風磨似の男性』と。 


「出会ったんです…今日はもう注意喚起の意味でもきてるので。自称菊池風磨はだめですよ本当に!!!!


ーではまず、いちじくさんの出会ったその方の特徴を


アイコンが唇に手をあててる写真で。絶妙に顔がわからなかったです。あと黒髪で。ずるかったのはよくいるロン毛の菊池風磨似ではなくて、ちゃんとアップデートされた菊池風磨似だったこと。


ーなるほど、よくいるのはロン毛の菊池風磨似の男性ですもんね。


「ちゃんと今の菊池風磨さんでした。あとわたしはあんまり菊池風磨さんのことを当時はよくわかってなかったんです。かっこいい全裸の人か、くらいの認識で。今振り返るとそれくらいの認識の人を狙ってたんだと思います。」


ーそして見事に惹かれてしまった。


「文字のやりとりも、電話のやりとりもすごくあの、…好きで。好きになってから気付いたんですけどたぶん文字のやりとりはかなり菊池さんに寄せてましたね。それがもう私好みで。正直、どうしてこんないい人が結婚してないんだろうって思うくらいの素敵な人でした。わたしの仕事が辛い気持ちとか、愚痴とか、絶対否定しない人で。すぐに『結婚するならこんな人がいいな』って思うようになりました。」 


ーすぐにデートになったそうですね?


「はじめてあったのはスタバでした。スタバで半日話して、本当に楽しくて。お互い水族館が好きだってわかったので、次は水族館に行こうということになりました。それで、億年ぶりの有休を取って、次のデートはマリンピア(注:新潟にある水族館)に行ったんです。」


ーそれから何度か水族館めぐりをしたと。


「はい。県内の有名な水族館はほとんどいきました。写真を撮って、ドライブして、…彼の写真に待ち受けかえたりとか…、浮かれてました、本当に。」


ーこの頃、デート終わりの日課があったそうで。


「デートが終わったあと、いつも独歩のぬいにその日のことを報告してたんです。にこにこ笑ってくれてる気がして幸せでした。」


ーこの頃彼を疑うことはありましたか?


「なかったです。かっこよくて、優しくて、彼しか見えてなかったと思います。仕事も彼がいるから頑張れてた。」 


ーそんな幸せ絶頂の中、菊池風磨さんを検索したそうですね?


彼が髪を染めたいって言うから、菊池風磨さんの画像を参考にしようと思って。雑誌も買いました。彼のためを思ってたんです、とにかく


ー彼のためを思って買った菊池風磨さんの雑誌。それが後々いちじくさんを救うわけですね。


「そうですね…今振り返るとあの時買っておいて本当によかった。」 


ーさて、そのころいちじくさんは、彼とはじめての旅行を計画します。


「コロナがちょっとだけ落ち着いて、今なら、というタイミングでした。旅館の予約をとって、まわりたい場所を探して。でもその中で、彼がちょっと変だなって思ったんです」


ー旅行の計画の中で?


「…彼のスマホが、2つあることに気付いて」


スマホが2つ、


「わたしも仕事用のがあるから、そういうことなんだろうなって思ってました。でも、ある時二つ目のスマホの待ち受けをみちゃって。……かわいい女の子でした、待ち受け」


ー子どもの待ち受け、ですか。


「彼が姪っ子だと言っていたので、そっかあってその時は納得したんです。でもだんだん、違和感が膨らんできた」


ー違和感?


「その頃はずっと彼の家でデートしてて、泊まることもありました。彼は毎日夜9時に仕事の電話をするんです。でも仕事にしてはなんだか声色が甘くて、本当に仕事なのかなって。あとは、毎月決まった日に青い封筒が来てました。彼は姪っ子からだって喜んでたけど、姪っ子からの手紙の返事に彼は漢字を使ってた。姪っ子はとてもおさなかったのに、どうしてだろうと。溺愛してるならひらがなを使うんじゃないかなって」


ー小さな違和感がふくらんでいったわけですね。


「他にもあったんです。社畜の私に合わせて夜遅くに迎えに来てくれたりしてたけど、休日も昼間には会えなかった。仕事だって言ってたし、それを信じていたけど、彼と休日の夜に会うと決まってタッパが冷蔵庫に入ってた。でも生ゴミは増えてなくて。見て見ぬふりを一生懸命してました。好きな気持ちを疑わないようにしてたんです。この頃はもう後ろめたさに潰されそうで、独歩のぬいにだけ吐き出してました。彼を疑う気持ちと、信じたい気持ちと、狂いそうだった。


ーところが、旅行の直前。彼からプロポーズされてますますいちじくさんは戸惑ったそうですね。


「切実に彼と結婚はしたかった。だけど、あまりにも不安なことが多すぎて。彼が急に結婚を急かし始めたのも怖かったです。」 


ーそんな中で出かけた友達の結婚式で、事件がおきると。


「久々に東京に行きました。……結婚式の受付で、彼と、彼の奥さんがいて


ーなんてこと…!


「ほんとになんてこと、ですよね。名前だけ書いて、ご祝儀渡して、…友達には申し訳なかったんですけど、耐えられなくて帰りました。彼に受付で他人行儀にされたこととか、奥さんと仲良さそうにしてたこととか、やっぱり娘さんだったんだとか、なんかもうぐちゃぐちゃで。なにより、左手の薬指に、あるべきものがあった。彼の平和を崩しているのはわたしだって突きつけられた。代々木公園で、泣きながら独歩のぬいに話しかけました。わたしのせいだって。変な男に引っかかったのも、結婚式でれなかったのも、わたしのせい」


ー自分をとにかく責めていたわけですね


「それ以外どうしていいかわかりませんでした。ふらふら東京を歩いて、とりあえずシブツタにいこうと思って。そしたら、目の前のギャルが菊池風磨の写真を落として


ーなんとまあ… 


地面に落ちた菊池風磨さんと目が合いました。かっこよくて、そしたら涙が止まらなくて。写真返さなきゃって地面の菊池さんを拾って、スクランブル交差点を走りました。でもギャルはいないし、わたしはぼろぼろ。そうしたら彼への憎しみが一気に沸いて。お前に菊池風磨の何がわかるんだよ!!って、スクランブル交差点を泣きながら走ったんです。


ー泣きながら走ったスクランブル交差点、それからとりあえず新幹線に乗って、新潟に。


「よく覚えてないけど、翌朝家にいたからそうなんだと思います。あとからホテルの宿泊代がもったいなかったなあって思って。でも新宿に行った記憶はかろうじてあるんです。花園神社で御守り買いました。」


ーおうちでは、彼のために買った菊池さんの雑誌を全部捨てようとしたそうですね。


「顔を見れないから全部捨てようかと思ったんですけど、でも、…………菊池風磨、かっこよくて


ーかっこよくて、?


「ゴミ袋に投げ捨てようとしたんですけど、かっこよくて。泣きながらたくさん菊池さんの雑誌を読みました。かっこいいって泣きました。かっこいい、かっこいい、悔しいって。本物の圧倒的彼氏はこんなにかっこいいのに、わたしはなぜ低能彼氏に騙されていたんだろうかと…(笑)あれを読んで本物を追いかけようと決めました。その日の夜、最後の電話をして彼に捨て台詞を吐いたんです。」


ー捨て台詞?


「彼は結婚式の話をなかったことにして、あれは姪っ子だったんだとかなんとかまだ嘘をついてきました。わたしにはあの日の薬指が焼き付いてたのに。仮に姪っ子だとしても、もう信じられないとも思った。だから言ってやったんです。あなたも、わたしも『許せない!』って


ー菊池さんの決め台詞ですね


「彼は意味がわからなかったと思います。でもそれでよかった。わたしがわたしを許せなかったので。それから彼とは一切連絡をとってません。アプリも消しました。」


ーそれからはどんなふうに過ごしていましたか?


「無気力になってしまって、それが災いしたのか体調を崩して入院してしまって…病室で独歩のぬいを片手に毎日Sexy ZoneのDVDを見てました。いいなあって思いながら。」


ーいいなあ?


仕事が楽しそうでいいなあって。わたしが最後に仕事のやりがいを感じたのはいつだろうって考えて、なんだか急にダメになってしまって。めちゃくちゃ怒鳴られたし詰問されたけど、会社を辞めました。でもそれだけじゃ終われなかったので、こっそり然るべきところに訴えたりもして…(笑)」


ー土壇場の強さは独歩譲りですね。


「そうかもしれません。いちじくさん舐めんなよ!って(笑)ただしばらくは体も心もだめだったので、去年の冬くらいまでは転職をしないで入退院を繰り返してました。入院するたび菊池さんの写真を買って、病室に貼ってましたね。本当に支えでした。」


ー入院生活の中でさまざまな菊池さんの作品を追いかけたそうですが、特に『イタイケに恋して』はどハマりしたそうで。


まさきは……まさきは……わたしの希望です


ー希望


「まさきは、本当に希望で、支えで……まさきの強さに救われて、まさきのアホさに救われて……まさきがいなきゃたぶんわたしは道を間違えてましたね……


ーまさきに惚れ込んだポイントはどこでしたか?


アホさです


ーアホさ


「まさきを見てると結婚とか仕事とかマッチングアプリとかどうでもよくなる。まさきはあれで本気で自分と結婚したら相手が幸せになれると信じてる。そのアホさって心が強い人にしかできないアホさです。わたしももっと馬鹿になろうと思いました。もっと自由に生きていこうって決めたんです。」


ーそうして迎えた12月。奇跡的に当選したジャニフェスではじめて、菊池風磨さんを見たわけですね。


「わたしあの日の自分のツイートを今でも覚えてるんです。『本物は世界一だった』


ー本物は世界一!


「うん。世界一でした。余計なこと忘れて菊池風磨さんだけを追いかけさせてくれる、最高のエンターテイナーだと思いました。現実の菊池風磨さん、触れたら壊れそうで。詐欺師とは全然違いました。…烏滸がましいのは承知の上で、この人を守りたいなって思ったんです。この人のためになにかしたい。この人のために頑張りたい。そんな気持ちになったの、菊池風磨さんがはじめてでした。


ー『この人のためになにかしたい。この人のために頑張りたい。』、そんな気持ちをくれたのが菊池さんだったわけですね。


「結局わたしはまた営業をしてますけど、営業でさえ毎日罵詈雑言を吐かれます。アイドルならもっとだと思うんです。でもわたしは、それを見えないくらいの好きを届けたい。気にするなよって、吹き飛ばせる存在でいたい。目の前の菊池さんを、Sexy Zoneを信じているから、他所を見る余裕も、信じられない人たちを気にする暇もありません。世界が菊池さんを憎んでも、わたしだけは菊池さんの味方でいたい。そんな気持ちで生きています。そう思える存在に出会えてよかったです」


ー紆余曲折を経たいちじくさん。今のいちじくさんにとって独歩と菊池さんはそれぞれどんな存在でしょうか?


「独歩は推しというか、わたしのヒーローです。独歩が社畜でいてくれるから、わたしもなんとか立てている。ふうまくんは、そうだなあ……希望です。うん、希望。」


ー希望、ですか。


「希望です。菊池風磨さんに負けないように、わたしもわたしの人生を生きていきたい。それを続けることで、ふうまくんの追い風になりたい。誰かの追い風になれるって、すごく幸せなことだと思うんです。そうなりたいと思わせてくれたふうまくんは、わたしの希望です。」


ー最後にお聞きしたいのですが、貴方にとって、『自担』とは?


初恋と書いて菊池風磨と読むし、希望と書いて菊池風磨と読む。わたしにとってふうまくんは、灯台のように、わたしを照らしてくれる存在です。


ーありがとうございました。最後に何か言い残したことはありますか?


「あ、それぞれのファンの方に宣伝をしてもいいでしょうか…?せっかくの機会なので」


ーもちろんどうぞ。


「まず、Sexy Zoneのファンの皆様。6月25日、ヒプノシスマイクの無料ライブがあります。よかったらよろしくお願いします。コメは作るしすぐバトルする変なコンテンツですが、曲とライブとキャラクターだけは最高です。音楽の扉が広がると思います。よろしくお願いします。Sexy Zoneが好きな人はたぶん好きです。
次に、ヒプノシスマイクのファンの皆様。6月1日にSexy Zoneの新しいアルバム『ザ・ハイライト』が出ます。Sexy Zoneは最高です。イメソンの宝庫のジャニーズでもあります。よろしくお願いします。」

 

ー見事な宣伝ありがとうございました。他にはありますか?

 

あ!!!マッチングアプリの自称菊池風磨に騙されないでください!!!!!本物の菊池風磨以外もちもちしてなくて最悪です!!


ーありがとうございました。では本当に最後に、自担に今一番言いたいことはありますか?


菊池風磨さんへ。どうかどうか、貴方の信じたものを大切にしていってくださいね。どこまでもついていきます!」