君がここで笑うシーンが

いや、答えなんかはいいんだ ただちょっと

君がいた夏に、たとえ戻れないとしても。ーSexy Zone「セクシーゾーン ライブツアー2022 ザ・アリーナ」備忘録ー

世界で一番好きだった人と、たった2ヶ月だけ、ひとつ屋根の下で暮らしたことがある。

彼は仕事はできるし家事だって実はわたしより得意だったくせに、わたしの前ではいつもどこか抜けていて。はじめての2人きりのデートの日、4時間遅刻してきたあの日から。それはずっと変わらなかった。

 

この夏の記憶を掘り起こそうとすると、どうしても彼の顔が浮かんでしまって、今日までなかなか書くことが出来ずにいた。

 

さて。Sexy Zoneの夏が終わってはや数ヶ月。ようやく色々書く気になったので、つらつら書いていこう。

思えば、馬鹿みたいに泣きながらみたコンサートだった。

わたしと一緒に公演に入ってくださった方はご存じの通り、わたしは今年のツアーで泣きっぱなしのパートがあった。ライブの終盤。緑の衣装を着て歌い踊るSexy Zoneを見ていたら、全部の記憶と感情がもっていかれてしまったのである。

最近になって、ようやく緑の衣装のSexy Zoneを見て泣きっぱなしだった理由に気が付いてきた。ざっと理由は2つである。

ひとつめ。自分が横浜アリーナSexy Zoneを見たのが大好きだったアイドルの解散発表の日だったこと。緑の衣装の前に「アイドルが消えた日」がテーマの映像が流れて、ふと思い出してしまったのだろう。 「アイドルが消えた」日を知っていたことに。

まさしくあれは、アイドルがいない日々だった。酸素が足りなかった。ずっと、息苦しかった。それから数年。空っぽを埋めてくれたSexy Zoneにはじめて触れた夏。彼らがアイドルを生きているところに触れた、あの日。それからSexy Zoneはずっとずっと変わらずに、アイドルとして生きている。

貴方達はいつだってそうだ。いつだって一生懸命に、「アイドルとしての普通」を生きている。Sexy Zoneを、普通にしようと生きていた。今でもずっとずっと、おたくでさえ貴方達を過小評価する時があるのに、貴方達はずっとずっと、Sexy ZoneSexy Zoneとして生きられることを信じている。永遠を一番信じていないくせに、永遠を誰より願っている。なんて不器用で、なんて素直な子たちなんだろう。そういうところが、なによりも好きだ。この先もずっと、ずっと、アイドルを一生懸命生きてるSexy Zoneが大好きだと、胸を張って言える。Forever Goldを楽しそうに歌うSexy Zoneが、だいすきだ。きっと、アイドルが戻ってくることが他の何よりも嬉しいことを、噛み締めて泣いていたんだと思う。

 

それから、もうひとつの理由は、これはまあ、今日、もうすぐ迎える一周忌の準備を終えるまで気付きたくなかったのだけれど。たぶん、ファーストデートに遅刻してきた人を、知っているからだと思う。「We fall in Love いまだに覚えてる
遅刻したファーストデート フィルム越しの僕ら
なんか幸せそうだ」って歌うSexy Zoneを見て、「けんとが俺のこと歌ってる!」って、そう笑いそうな人を、未だに忘れられないからだろう。

しかもSexy Zoneは歌うのだ。「It's hard for me to say Good Bye あの日の君は Charming Charming
綺麗なまま」って、まるでもう「あの日の君」には会えないような顔をして。

 

Sexy Zoneと過ごす2022年の夏は、一度きり。「2022年の君」にはもう会えない。

 

ありきたりだけど、忘れてしまう事実に、ふと今になって気づいてしまった。

 

Sexy Zoneの、なにもかも許してくれるところが好きだ。ライブ本編を「それじゃさよなら 僕らのたわいない日々よ」で終われる稀有なアイドルが、大好きだ。夢を見ることも現実を見ることも許してくれるところが、好きなのだ。

Sexy Zoneは赦しのアイドルだと常々思ってきた。今回のツアーはそれをより裏付けるものになったと思う。アイドルが見せる夢は、ともすれば理由がない押し付けになってしまいがちだ。猟奇的で破壊的かつ危険な「思想」になってしまう可能性すらあるのである。だけど、Sexy Zoneはそれすら綺麗に消えてしまうことを知っている。普通の日々の重みも、夢を見る喜びも、夢が消える痛みも。背負うことのない、ある意味ファンに押しつけてしまえば済むものさえも、彼らは背負ってしまうのだ。

 

君がいた夏に、たとえ戻れないとしても。

Sexy Zoneはきっと、そんな日でさえも、アイドルとして笑っているのだろう。

 

さて。そろそろ真面目な話をやめて、煩悩の話を始めよう。というかさせてくれ。2つあるんだ。

 

ひとつめ。

拝啓 菊池風磨

あの、わたしは馬鹿な女でしてね、新潟でSummer Rideのスーパーけんしょりタイムを目に焼き付けることを失敗したんですよ。横浜で見た時にはけんとくんが一人で情熱的に佐藤勝利さんを探していたんです。ですのであの、お願いですから、ドームでも

Summer Ride、Summer Rideだけは、やっていただけないでしょうか……双眼鏡で穴を開けるくらいみるので……よろしくお願いいたします……

 

 

ふたつめ。

エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい………………菊池風磨さん、もし仮にあなたのスマホにエミリーの新規絵があるなら今すぐ開示してください…………エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい。エミリーにあいたい………………

 

君がいた夏に戻れなくても、エミリーにはもう一度会いたいよ……

 

さて、とにかく煩悩の塊みたいな文章を書いてしまいましたが、とにかく素敵な夏をありがとう。今年の冬も、その先も、どうぞよろしくお願いします。