君がここで笑うシーンが

いや、答えなんかはいいんだ ただちょっと

はちみつ

今年はあえて、貴方のことを言葉にしたい。

 

とても楽しみにしていた予定が先般の地震による影響で立ち消えになった。めちゃくちゃ泣いたけど地震による影響は計り知れないわけで。大好きな祖母(わたしには諸事情で曽祖母が3人いるのだが、そのうちの1人を年齢上祖母と呼んでいる)のことを考えると、簡単に東京ドームにオードリーをみにいこうよとは言えなかった。きっと今頃、チケットは誰か優しい人に渡ったことだろう。どうか楽しめますように。

 

さて。今日は記念すべき日だ。人生で最初にプロポーズされた日だからである。

彼との日々はすべてが強烈でめちゃくちゃだから、時系列がわけわからんことが多くなってしまっているけれど、この日と葬式の日、それから最後のプロポーズの日だけはきっと忘れない。

 

貴方は、「喪主になってほしい」と結婚を頼まれたことがあるだろうか。わたしはある。

 

彼は、出会った時からタイムリミットがあった。それでもそれを10年無視して、そのうちの8年を私と生きた。最初の3年は貴方を毛嫌いして、1年は色々拗れて、恋人でいれたのは、4年だった。ねえ。今だから言うけど。毛嫌いした日々。拗れた日々。ずっと、ずっと、貴方のことが、誰よりも好きだった。

 

貴方は、8年間毎年わたしにプロポーズしてくれた。最初の1回目。何も知らないわたしに、サイゼで貴方は真面目に言ったよね。

「結婚して、喪主になってほしい」

 

人をビンタしたのは、あの時がはじめてでした。

 

今日は朝からなんとなく苦しくて、だけど不意に、はちみつを山ほどいれたミルクティーを飲んでいたら、貴方を思い出したのです。もう何回忌か数えるのが嫌になってしまったから数えていないけど、貴方が一番星になってから何度目かの冬が来て、また春が来ようとしています。

 

ねえ、   くん。また春が来て、貴方が最後に苗字を本気でくれた、桜の季節が来るよ。

 

あの頃から、わたしは大人になれたかな。

わたしは、貴方が心配するようなこと、してないかな。

早く迎えにきてよって、思ってごめんね。

 

もうちょっとだけ、生きてみます。

貴方のさっさと再婚しろよの約束は、まだ守れそうにありません。それどころか、日に日に男の人が怖くなっています。困ったものです。

心配かけてごめんね。

 

もうちょっとだけ、頑張るから。だから。

せめて今夜くらい、はちみつの中に酔わせて。