本文は「シッコウ!」第8話における膝枕シーンが本当に膝枕と言えるのかどうかを考えたものである。
問題のシーンのシチュエーションはこうだ。具合の悪くなった栗橋青年が仰向けで倒れ込んだ先が「たまたま」主人公の膝の上だった。このように「たまたま」倒れこんできた人間の頭を支えたものが膝だった場合、その状況を『膝枕』だと言えるのであろうか。
わたしはとある事情から膝枕絶許委員会に所属し膝枕に対して毅然とした対応をとることを信条としているが、このような例ははじめてなのである。過去2回、当委員会が向き合ってきた膝枕はすべて「膝に飛び込みぬくもりを得る」ことが目的だったのだ。
まず、本間快氏の例は「膝枕して耳かき」という絶対に絶対に絶対に一生許さず忘れずの膝枕である。わたしの膝枕への恨みはここから始まった。好きな男のはじめての膝枕を!!!!!得体の知れない女に強奪さ(以下規制)
続いて長谷部氏の例は
①長谷部氏はこれまでなんでもキスかたまねぎで解決してきたにも関わらず「甘える」「縋る」という2人が許し合う大切な瞬間で膝枕などという安直な手に出た点
②躊躇いひとつもなく膝枕に飛び込んた点
③最終回前の大事なハイドレンジアタイムを膝枕に明け渡した点
以上3点から非常に許し難いものであった。キスかたまねぎで解決してきたくせにはじめての自主的な甘えがひざま(以下規制)
ではここで一般的な膝枕の定義を確認しよう。辞書によれば『人の膝を枕にして横になること。』とのことである。また、Wikipediaは膝枕について
膝枕(ひざまくら)とは、人の膝に頭を乗せて体を横にすること又はその体勢をいう。ただし、実際には膝というよりも腿の部位にあたる。(中略)膝を枕のように用いることから名付けられたと考えられる。なお、長椅子やベッドに腰掛けている場合は正座のような膝を折る行為必要でなく、座っているままの体勢で膝枕が可能となる。
と、している。さらに親愛という子見出しもあり、
この体勢を取ると必然的にその2人は接触することになり、無防備な体勢となるため、お互いに心を許しているとみなされる。愛情表現として、主に女性が膝枕をし、男性がそこに頭を乗せ横になる場合が多いとされているが、当然逆の場合もある。また、友人間、同性間、親子などの家族間で行われることもあり、その場合は親愛の表現となり、性的な意味合いは含まれない。(以下略)
と述べている。
では今回の栗橋青年が仰向けで膝に頭をのせていた件はどうだろうか。あれは『膝枕』なのであろうか。答えは『膝に倒れてきた』だけであり、『膝枕』ではないのである。
本行為におけるポイントは二つ。
①仰向けである
『人の膝に頭を乗せて体を横にすること又はその体勢をいう』ため、横にすること、横になった体勢という定義にはあてはまらない。
②人の膝を枕にして横になることが目的ではない
不可抗力であったため、彼の行為の目的は別である。というよりも、体調を崩していたため目的などなかった。
以上のことから本件は膝枕絶許委員会による膝枕廃止法に違反しないといえ、適用外の案件である。しかしながら、しかしながら!!栗橋青年を司法試験におちた間支え続けてきたにもかかわ(以下略)
……ここまで書いたけど、なんだろうこれ…とりあえずわたしの好きな人たちにはくれぐれも不用意な膝枕をしないでほしいです…身の安全のために…