君がここで笑うシーンが

いや、答えなんかはいいんだ ただちょっと

祈ること、願うこと。

「お祝いさせてあげられなくてごめん。」

「おめでとうって言えなくて、言える環境作れなくて、ごめんね。」

 

 

ずっと、記念の年が怖かった。今でもあの誰に宛てたかわからない謝罪が、ごめんねが、ずっと脳裏にこびりついている。

 

 

わたしにとって記念の年、周年の年は何かをなくしたり、何かを失ったり、何かが止まったりする年だった。おめでとうをいう余裕もなく、ただただ宝物がそれまで気に留めてもいなかった他の誰かによって壊されていく様を見守ることしかできない。もうあんな思いをするのは嫌だった。何かを守れなかったという後悔は誰に何を言われても消えないのだ。おめでとうの先が許されていなかったことが、これからが見えないことが、どうしようもなく苦しかった。心からのおめでとうを、一度でいいから伝えたかった。

 

さて。Sexy Zone の10周年アニバサリーツアー、SZ10THが無事幕を閉じた。夏祭りの終わったあとの花火の匂いが、昨日からどことなく漂っている。

 

本当のことを言えば、どうしようもなく怖かった。本当に本当に怖かった。もしも何かあったら。もしも、もしも。自分がみにいったあとも、その前も、配信の前日も。ずっとずっと、怖かった。

 

これからが見えないかもしれないことが、怖かった。他の誰かの手で、おめでとうを塗りつぶされるのが怖かったのだ。

 

だけど、Sexy Zone はいつだって希望だった。あんなに優しい、怖くない周年ライブははじめてだった。最初から最後まで5人で、5人の10周年を見せてくれた。

今までをただ振り返るだけじゃなくて、ちゃんとこれからを伝えてくれたこと。泣きながら、笑いながら、おめでとうって言えた。素直に誰かを祝えることがこんなに幸せだなんて知らなかった。祈ることを、願うことを、許してくれた。

 

トラウマだった周年ライブ。本当に楽しかった。

ツアー期間中何度も抱いたあのどうしようもない不安は、気付いたらどこかに消えていた。周年ライブがそんじょそこらの外的要因によって消えてしまわないことが、本当に本当に嬉しかった。ありがとう。貴方達にまた一つ救われてしまったね。これからを見ることを許してもらえるの、本当に本当に救いだったよ。

 

おめでとうを言わせてくれてありがとう。未来を願うことを、祈ることを許してくれてありがとう。泣きながら笑っていたけど許してね。本当に本当に、ありがとう。

 

ただ生きてるだけで苦しくて、何と戦ってるかもよくわからないこの時代に。明日を願うことすら許されなかったあの日々に。好き放題な世間が許せなかったあの日々に。 300万の願いが咲いても勝てなくて、絶望したあの大晦日に。わけもなく誰かの言葉に傷ついて、自分が情けなくてたまらなくなるあの夜に。誰かの正しいに潰されそうになる今日に。わけもなく不安な明日に。そんな日々に、「勝ち負けじゃなくていいよ。」って言ってくれるSexy Zone がだいすきだよ。本当にありがとう。信じることすら許しのいる時代に、貴方達を信じることを許してくれてありがとう。

 

5人が、明日も笑っていられますように。勝ち負けじゃなくていいよ。5人が自由に、描きたいものを描けるように。夢を叶えられるように。そのために力になるよ。

5人が健やかに、聡明に、春の葉が芽吹くような優しい風の中で生きられますように。貴方達の明日が、希望に溢れたものでありますように。私の好きな人が、今日もよく眠れますように。

 

SZ10TH、完走おめでとうございます。楽しい日々をありがとう。おめでとうを言わせてくれてありがとう。どうぞこれからもよろしくね。

 

ありったけのおめでとうとありがとうを、5人へ。